「地獄楽」のラスボスと言えば、ほとんどの人が天仙の産みの親でもある蓮(リエン)というファンが多いのではないのでしょうか?
そして何より作者である賀来ゆうじ氏も、公式ファンブック解体新書で、ラスボスの蓮と言っているので、ラスボスなのでしょうねェ~。
しかし、個人的にはリエンじゃぁないんじゃないの?!と、おもっています。
リエンは夫・徐福(じょふく)への愛の形は間違ってしまいましたが、それはもう一度愛する夫に会いたいという、純粋な願いからなのです。
愛がちょっと暴走してしまっただけなのかなぁ…と感じました。
そして、個人的にラスボスだとおもうのが、なぜ山田浅ェ門 十禾なのか?!
個人的主観で、考察してみたいと思います。
良かったらおつきあいください。
「地獄楽」ラスボスって、実は十禾(じっか)なのでは!?を考察します!
なぜ、山田浅ェ門 十禾なのか?!
個人的主観で、考察してみたいと思います。
十禾 登場回
原作では第36話から登場します。
山田浅ェ門 十禾は、無精ひげに、髷をとると長髪です。
個人的には、年齢の割には老けているなぁ~という印象です。
山田浅ェ門 十禾 プロフィール
●試一刀流三位
●生年月日:4月10日
●年 齢:28歳
●身 長:177cm
●氣属性:土
十禾の強さ
山田浅ェ門 十禾は、試一刀流三位です。
しかし、試一刀流の序列は戦闘能力ではなく、
1.御様御用(おためしごよう)としての能力
2.当主を継ぐ=人格
により決まります。
ですので、序列が下位でも上位の者より強いなんてよくある話。
しかし、足場がわるい海の上や崩れそうなガレキの上からでも、化け物を斬るため、剣豪といえるでしょう。
十禾の過去
だまし、奪いの貧民街で生きてきた十禾はある日、深夜に強盗を目的で入った夫婦を殺してしまいます。
その夫婦が、山田浅ェ門 殊現の両親だったのです。
この事情はお互い知りません。
しかし、2人は本能的にお互い何かを感じ取っているから、嫌悪感が消えないのかもしれませんね。
十禾の性格
基本的にいい加減で、ぐうたらな性格
彼のモットーは、”他人にも自分にも期待なんかしない”
武士の身分は欲しいが戦はしたくなにから、その役割のない「御様御用」に入門した。
飄々(ひょうひょう)とした態度はまさにつかみどころがない男です。
お酒が大好きなくせに、弱い。
金欲しさに大事な刀を質にいれる。
飲んだら酒にのまれるタイプ…。だから、信用性にも欠ける。
さらに、女遊びも大好きなのだが、同性でもある男性でも閨(ねや)※寝室のこと
に、誘うところがまた腹の底が見えぬと言われてしまうところなのかもしれませんね。。。
十禾は冷酷非情
死罪人の弔兵衛にまで、「人の心を持たない奴」と言われてしまいます。
それは、自分が次期当主になって左うちわで暮らすため、このどさくさに紛れて序列二位の殊現を殺してほしいと弔兵衛と桐馬にお願いするのです。
さらに、生きてたら士遠と佐切も…と。
これでは、あらゆる悪行をしてきた弔兵衛に呆れられるのも無理はないのかもしれません。
十禾の能力
一番近いのが予知能力でしょう。
彼の能力は、相手がどう動くか、どこを斬れば死ぬかが分かるのです。
そして、散る桜の花びらがどこに落ちるかまでも。
最終戦での描写で、バケモノのような盤古の丹田を斬る時も、彼は自分が通ると死ぬ道がわかる為、そこを避けて通っていたのです。
映画館で映写機をまわすように、一コマ一コマ安全な道を探しながら。
これを、予知能力と言ってしまえばそうなんでしょうねェ。。。
しかし、一瞬一瞬が確実にわかるって、、、もっと別な力があるような気がしています。
そして、足場の不安定なガレキの上で盤古を斬ったのです。
厳鉄斎が、後世に残る「神殺し」は ああいう男が為すものかとおもうのも納得してしまいます。
これは能力と言えば能力に入るのか、遊ぶお金ほしさに大事な刀を質に入れ刀がない。
なのに、腰につけているのは竹でできた装飾用の刀です。
ですが、それで処刑人の首を見事に斬るから誰も信じない。
十禾いわく、物の原理が視えるそうですよ。
どこにどう力を加えたらどう動くのか、目の前の物をどうすれば斬れるのか。
士遠の感じる「波」よりも数段はっきりと視えるほどの能力ということなのでしょうね。
さらに、最後の戦いでリエンには勝てないと悟った十禾は、船に残りこの世の終焉に乾杯と一人で最後の酒を楽しんでいました。
しかし、リエンが佐切と画眉丸にとどめをさしたとき、力ではリエンには絶対勝てない。と思わず飛び出したヌルガイの手を引き止めたのです。
力では…ね。
そう、力では勝てない…けれど、言い換えれば、力じゃなければ勝てるということがわかっていたのでしょう。
そう、結果的に画眉丸の妻への想い、いわゆる夫婦の愛が伝わった、だから勝ったのでしょう。
これも、十禾には視えていたのんでしょうね。
十禾の最後
最後を見事に丸くおさめた十禾の行動をみていきましょう。
江戸に着いて10日の間にやった下ごしらえとは?!
再度、神仙郷に向かうときには、死罪人ではなく石隠れ衆を同行させました。
しかし、石隠れ衆が自分たちの目的の為に勝手に動いていたことは、御殿様への重大なむほんととらえられ、長が打ち首にされます。
これは、今後画眉丸夫婦を脅かす火種をつんだものだと考えます。
十禾は、石隠れ衆を解体させることは、今後老中職に就く(将軍を支える最高職)青木に有効だと、とりいり成功します。
十禾は、いい意味で策士だなぁ~っと感心させられました。
十禾の指示で、石隠れ衆の長を打ち首にする前に、仙薬をひとなめさせました。
元々、不老不死の仙薬なんて存在しません。
(普通の人間が飲んでも樹化するだけ、木人や花人間は不死に近いけど不老ではない)
これは、仙薬だと信じている御上達へ納得させるためだった策だと考えます。
万が一でも、将軍が飲んだらおとがめは免れないと考えたからではないでしょうか?
そんなことになったら、十禾自身が打ち首になってしまいます。
さらに、仙薬をひとなめした長の胴体から植物の根が生え、今も脈打っているという青木に対して、徳川家康に縁のある御神木にかこつけて、縁起物だと丸くおさめたのです。
江戸に着く前、無罪放免になった厳鉄斎以外の死罪人は小舟でそれぞれ旅立ちました。
十禾は、画眉丸には「手筈は整えとくから尼寺を訪ねてごらん」と伝えます。
この時点で、十禾は結の居所を知っていたと考えられます。
これも十禾の能力の一つなのかは定かではありませんが、千里眼かやはり予知能力なのかもしれません。
もしくは、十禾が手筈してかくまっていた可能性も否定できないと考えます。
そして、無事に画眉丸は結と再会できたのです。
この手筈を十禾はいつ整えたのでしょう?
考えられるのは、神仙郷に行く前に整えたことになりますね。
せっかく江戸に帰ってきたのに再び殊現に半ば強引に連れていかれてたので、手筈を整える時間はなかったようにおもわれます。
では、やはり江戸に帰っての10日間でやりとげたのか?
尼寺というくらいですから、山道をいくのでしょう。
画眉丸に伝えた尼寺に到着するのに、数日はかかるとするなら、画眉丸が向かっている間に
結を尼寺に向かわせる手筈をしていたのかもしれませんね。
画眉丸には、十禾が直接伝えましたが結にはどう伝えたのでしょうね?
これも、十禾の不思議な能力によってなのでしょうか?!
十禾はすべてお見通し
個人的にラスボスだと考察したのは、すべて山田浅ェ門 十禾のこのセリフにつまっていると感じました。
どんな絵巻物にも終わり時がある
鬼ヶ島から帰った桃太郎のその後が描かれないのは
退屈だからじゃない 野暮だからさ
物語が終わり その後 彼らがどんな表情(かお)をしてるのか
それは当人だけのものだ 覗き見るのは野暮だよ
俺達は願うだけ どこかで幸せであってほしいと祈るだけ
「地獄楽」13巻第126話より
一見、ちゃらんぽらんでいい加減な男なのかとおもいましたが、
意外にも悟りの域を超えている感覚さえも十禾に感じてしまいました。
最後はみんなが最善でそれぞれの最高の結末を、十禾はすべてわかっていたのではないかとおもいます。
すべてお見通しで動いていたのならやはり最強ともいえるラスボスは十禾なのではないでしょうか?
まとめ
「地獄楽」ラスボスは山田浅ェ門 十禾?!
の個人的主観に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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